ブックレビュー『私を離さないで』

こんにちわ、悦子です。最近東京ではニュースによると新型コロナの感染者数が減ってきているそうなので、少し安心しています。まあこれで終わりではないと思いますが、街を歩いてるとターリーズコーヒーとかドトールコーヒーとかも今週の月曜日あたりからまた営業を再開したみたいで、何となく普通の日常が戻りつつあるような気がします。でも私と言えば未だに引き込もり生活延長中。おかげで家では大の苦手の読書をするようになりました。と言っても読みやすい本ばかりですが。。そして今回はおととい読み終わったばかりの本を紹介したいと思います。っと言っても有名な本だし何年か前に映画化とかドラマ化されているので、知ってるよーという人も多いのではないかと思いますが、とっても良かったので紹介しようと思います。それがこちらの

カズオイシグロ著書の『私を離さないで』

です。

英語の題名は『Never let me go』ですが、とにかくこのお話がラストも救いようのない話で、でも現実に起こりそうな話なので、読み終わった後かなり凹みました。このお話の内容はネタバレになりますが、

クローン人間の臓器提供についての話

なのですが、このお話の主人公が昔を回想して話は始まるのですが、臓器提供について小説で明かすのは本当に終盤になってからなので、そのエンディングを知って前の部分を読むと日常の若者に起こりそうなエピソードも何となく切ない気持ちで読み返すことができます。お話ではイギリスの片田舎にあるヘールシャムという寄宿舎で育っていく主人公である生徒が先生から貴方達は特別の使命を持って生まれてきたと教え込まれます。授業では図画工作の時間がやたら長く生徒は外の世界の展示会に出品するための作品作りをするよう先生から促されます。また普通の学校と違って、毎週決まって健康診断を受けさせられたりもします。ここにいる生徒は私たちと何ら変わらず普通に勉強したり、運動場でサッカーなどのスポーツをしたり、たわいのない日常を送ってるのですが、そんな中、主人公は学内の急進的な先生からある日こんなことを言われます。

あなた方の人生はもう決められている

と。だから将来誰もアメリカに行けないし、映画スターにもなれない、スーパーで働くこともできないと。さらにはこのクローン人間は短命で

これから大人になるが老年どころか中年もない

いずれ始まる

臓器提供の為に自分たちが作られた存在で提供が使命である

ということを告げられます。このお話ではクローン人間の臓器提供によって一般の人達が、癌などの不治の病で死ぬということがなくなり平均寿命も延び長生きできるようになったということらしいが、クローン人間とは言え、他の人間を犠牲にしてまで長生きする意義について深く考えさせられました。しかも

架空の話だとは言え現実に起こり得る気もするので怖い。

なあとも思いました。しかももし自分がクローン人間で、自分の人生に選択肢がないってそれはどんな人生なのかとも考えてみたりしました。まあでも私みたいに特に何かやりたいと思えることがない人間にはある程度これをやれと提示された方が生きやすいのかもしれないが、それでもこのお話のように提供者か介護人しか職業の選択肢がないのは生きる希望を持てないのと同じである。この作品を読んで生きるとは何か?死ぬことに対しての心構えということについて改めて考えさせられました。巷では人生100年時代とかバカなことを言ってる人がいるが、今人生100年まで生きれる人って全人口の7、8%しかいないみたいです。しかも健康寿命と寿命って違う気もするし。なので、やっぱり老後は長いと腹をくくらない方がいいような気もします。今やりたい事を後で後悔しないように先延ばしにせずにやる。また私のようにそんなにやりたい事が特になくても自分の好きな事、没頭できる事を見つけるアンテナを自分の周りに張り巡らして、人生を有意義に生きるべきだと思いました。その心構えで時間を持て余しつつあるこのコロナ共生時代(勝手にネーミングしてみた。。。)も生き抜いていきたいと思いました。

私を離さないで
ハヤカワ文庫 値段 800円
https://www.amazon.co.jp/わたしを離さないで-カズオ-イシグロ/dp/4152087196

日本では綾瀬はるか主演でドラマにもなりました。
https://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/

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